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chocolate

当サイトは非公認二次創作、不定期更新サイトです。取り扱いジャンル等詳しいことは 初め にをご覧下さい。
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初めに 

[ ご案内]

はじめまして。Pukkaと申します。
この度はchocolate(ショコラテ)にお越し頂きましてありがとうございます!

当サイトではイ/タズ/ラなK/issをメインに二次創作を取り扱う予定です。
原作者様、出版者様各位とは一切関係はありません。
掲載されている内容はあくまでも私の妄想を織り交ぜて創作しておりますので、無断転用・無断転載は厳禁でお願いします。

拙作ではございますが、大変デリケートな部分でもございますので、公式サイト様との同時閲覧等、他サイト様でも禁止されている行為はお止め下さい。

最近になって華流ドラマ、韓国ドラマで原作にはまりましたので、まだ家に単行本が揃っておりません。
同じ場面でも台詞のニュアンスなど原作と異なる箇所も多々あるでしょうが、広い目でご覧頂き、ご理解頂けない方は見なかったことにして無視して頂けると有難いです。

またお話べたなので、上手くコミュニケーションが取れないかも知れませんが、コメント頂けると非常に嬉しいです。もちろん拍手頂くだけでも嬉しいです。
周囲にばれない様こっそりやっておりますので、もし一緒に盛り上がっていただけたら大変嬉しく思います。
控えるようにはしていますが、KinKiへの愛が駄々漏れですので、ところどころその趣向も幅を利かせてくることと思います。
よろしくお願いします。
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拍手レスです! 

[ 拍手レス]

>ハル様
はじめまして!コメントありがとうございます!
長い間姿をくらましておりましたが、忘れずにいてくださる方がいるなんてと恐縮しきりです。
お返事が遅くなってしまいましたがこんな稚拙サイトまで覗いてくださる方がいらっしゃるのですから励みにがんばりたいと思います!
マイペースになると思いますが、よろしければまた声をかけて下さい♪
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Baby Love 6 

[ Baby Love]

「琴子さん!」

控えめに手を振る沙穂子に琴子は内心戸惑いながらも小さく頭を下げた。
かつかつと品のいいヒールの音をさせながら琴子の隣まで来た沙穂子は、琴子の反応を見ながらも美しい笑みを浮かべている。

「こんにちは。」
「こんにちは。…ねぇ、琴子さん。今日お隣に座らせて頂いていいかしら?」
「えっ、ええ。もちろん。」

少しぎこちないながらも琴子が微笑みながら頷いたのを確認すると沙穂子はそっと空いた席へと腰掛けた。
ふわりと沙穂子から漂う香りが花のように芳しく琴子の鼻腔をくすぐる。

「琴子…。」

その沙穂子とは逆隣から理美がそっと声をかけてきた。
少し強張った琴子の顔を見たせいか、自分たちこそ青い顔をして琴子の顔を覗き込む親友たちにふっと琴子の顔が緩む。

「理美、じん子。この人は大泉沙穂子さん。沙穂子さん、こちら私の友人で石川理美と小森じん子です。」

大丈夫、そんな思いをこめてにっこり微笑む琴子に二人は慌てて軽く頭を下げた。

「理美さんにじん子さん。大泉沙穂子です。先日はご挨拶もせずに失礼しました。」
「そんな、私たちだって…ねぇ?」

理美がじん子に同意を求めるとじん子もこくこくと頷く。

「そうそう!次の授業があるからって失礼しちゃって!」
「こちらの大学でぜひ受けたい講義があって申し込んだんですけれど、やっぱり知り合いがいると心強くて…仲良くしていただけると嬉しいですわ。」
「もちろん!ね、二人とも!」

琴子の笑顔に二人はひそかに安心しながら沙穂子を受け入れた。

**********

「やだ、琴子さんたら!」

どこの世界でも女性が集まると賑やかなものだが、直樹は彼女のあんな姿は見たことがなかった。
琴子といつも一緒にいる2人組と一緒になってきゃっきゃっと声をあげる沙穂子は楽しげに琴子の肩に手を置いている。
4人が囲んでいるテーブルには女性の好みそうな甘い飲料やスイーツが所狭しと置かれ、直樹は思わず眉間を抑えて深いため息をついた。

「琴子。」

聞きなれた直樹の声にぴくりと琴子の肩が跳ね上がる。

「入江くん!どうして大学にいるの!?」

ほとんど反射的に琴子が振り返ると直樹を認めたその顔に輝くような笑顔が浮かんだ。
すぐに席を立って駆け寄ってくる琴子を受け止めると軽く指で琴子の丸い額をはじく。

「いたっ!」
「バーカ。いきなり飛びついてくるなよ。」
「はーい、ごめんなさい。」

てへへっと笑いながら額を押さえる琴子に直樹が苦笑しているとかたんと椅子の動く音がした。

「直樹さん。」
「沙穂子さん、本当に斗南大学に来ていらしたんですね。」
「ええ…、ぜひお話を聞いてみたい教授がいらして…。」

さっきまでの騒がしさが嘘のように沙穂子の声だけが食堂に響く。
きゅっと小さく服の裾が握られるのを感じて、直樹はそっと琴子の腰を抱いて隣へと導いた。




あ、あけましておめでとうございます…?
まったく更新してなくて皆様お忘れかと思いますが、こっそり更新してみました。
気がつけばご挨拶もしないままもう3月…。
リハビリのために短編でもと思ったのですがなかなか進まず。
完結もしていないのに新しい妄想でも始めようかと思っております。
どうなるか見当もつかないサイトですがこれからもよろしくお願いします。
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the grass is always greener on the other side  

[ 結婚後]

「琴子さんて、どうして直樹さんと結婚したの?」

グロスで彩られた唇の下に人差し指を当てた美紀は妙に甘ったるい声を出しながら首を傾げた。

「えっ?」

美紀の五指全てに綺麗に施されたネイルに視線を釘付けにされていた琴子は途端に目を丸くして美紀を見た。
一瞬今まであった女性たちの言葉が頭をよぎった琴子だったが、どうにも違和感を感じる。

「どうしてって…。」
「だぁって、直樹さんって冷たいし、目つき悪いし、ぜんぜん素敵じゃないじゃん。」

今まであった女性たちは全員、直樹を褒めちぎり琴子を見下すようにしていたのに…。
美紀の目はそれとは全く違った。
ぷっくりとした唇を突き出し、不満げな表情をして見せたかと思うと、「琴子さん可哀想…」とまでのたまった。
プルプルと琴子の小さな手が震える。

「な、なんですってー!」


**********


「ったく、それで喧嘩したのか?」

寝室でベッドに座って足だけを布団に入れた琴子の話を聞きながら、直樹は重い溜息を吐いた。

「だってぇ!!」
「褒められたら褒められたで騒ぐくせに。」

呆れを隠そうともしない直樹の声に琴子は一瞬うっと息を詰まらせると、布団を蹴り上げ、身を乗り出すようにして直樹に近づいた。

「だって!だってね、あの人、毎朝人目もはばからずいちゃいちゃいちゃいちゃしてるのよ!」
「ふぅん、それで?」

琴子が近づくことによって直樹の座る側のベッドが沈む。
息巻きながら近づく妻を見ることなく、直樹は読んでいた医術書のページをまた一枚めくった。

「なのに入江くんのことを悪く言うなんて!」
「…なぁ自分が支離滅裂なこと言ってるの気づいてるか?」
「しり…なぁに?」

ふっと直樹の手が止まり、自分の方を見てくれたことで顔を輝かす琴子が首を傾げる。
狙ったものではないだろうがその顔は見ようによってはあどけなく可愛らしい。
風呂上りの自然な桃色の頬が少し薄暗い寝室でも琴子の雰囲気を明るく彩っている。
化粧気はないが、無防備な姿は誰でもが見れるものではなく、直樹は苦笑しながら栞を挟んで本を閉じた。
もう今日の勉強は終わりと言う合図だ。

「…いや、いい。」

それを正しく察したのか、琴子は「そう?」とだけ言うとごそごそと移動して自分の定位置に腰を下ろした。

「ああ。それよりお前明日は遅番だな。」
「そうだけど…あっ…。入江くん…。」


***********

「あなたぁ、行ってらっしゃい。」
「ああ、行ってくるよ。出来るだけ早く帰ってくるからな。」
「はぁい。本当に早く帰ってきてね。」

語尾にいくつもハートマークがついていそうな会話に、琴子は思わず眉をひそめて声のする方を見た。
琴子に見られていることも気にせず、美紀は彼女の旦那である巧の腕に抱かれ、彼の首に腕を回しながら唇を重ねている。

「ぅー。」
「おい、琴子。鞄から手を離せよ。」
「あっ、ごめんね、入江くん!」

隣に気を取られていた琴子は直樹の声にぱっと手を離した。
急に腕にかかる重みに一瞬眉をしかめながら直樹は琴子に背を向ける。

「いっ、行ってらっしゃい!!!」
「ああ。琴子…朝から物欲しそうにうなってんじゃねぇぞ。」
「そんなんじゃないってば!もうっ、気をつけてね!」

ひらひらと小さく手を振りながら門扉を出て行く直樹を、琴子は姿が見えなくなるまでいつまでも手を振って見送っていた。
美紀の同情をこめた視線を右半身から感じながら。



***********



「もう!あの夫婦!!いくら新婚だからって!」
「またか、他所は他所だろ。」

最近連日のようにぷりぷりしている琴子に直樹はちらっと視線をやった。
隣の芝生は青いとはよく言ったもので。
影響されやすい琴子は毎日のように繰り広げられるバカップルぶりに当てられているらしい。
琴子にしては珍しく非常識だと怒っては見ているが、本音はただ羨ましいのだろうと直樹は思っている。
直樹を見て女性が示す反応は大きく二つに分かれていることが多い。

直樹を天才だと誉めそやして近づいてくるか、口では近寄りがたいと言いながらもちらちらと見てくるか。
それを美紀は全くして来なかった。
ハネムーンの際、同じく新婚であった麻里もハワイにいる間はほぼ直樹について回っていたのに。
美紀は彼女の旦那に夢中だと体中で表現して、彼女のパートナーである旦那にも同じ濃度で返してもらっている。

若干行き過ぎなのは否定できないが、お互い好きあって一緒にいるのだからそれが当たり前で当然の姿だ。
今までは琴子へのからかいもあり、直樹に言い寄っていた女性が多かったに過ぎない。
琴子だって直樹に向けられた非難を本気で怒っているわけではないし、旦那に恋する女性として美紀の気持ちは痛いほど分かるだろう。
自分たちだって表現の仕方こそ違うが、求め合って結婚したもの同士でもある。
だからこそ、これは少しの羨望。

「琴子。俺は嫌だぜ?」
「わっ、分かってるもん!」

ぷんと琴子が顔を逸らす。

結婚してすでに数年。
直樹が言葉や態度で表現してくれることなど少ないことは百も承知だし、琴子がまとわりつくことを本気で嫌がっているわけではないことは知っている。
周りにはつれなく見えていても二人にとってはそうでないことを本人たちだけが知っていればいいとは分かっていても。

「……でも、ちょっと羨ましいんだもん。」

琴子はいつだって直樹を欲しがるから。

「ったく、一回だけだからな。」


「     」





なんとか間に合いました!
光/一君の舞台が発表されてなにかと忙しく、今日中のアップは諦めようかと思いましたが。
開設して初めてのイリコト結婚記念日!
結局記念日感は一切ありませんでしたが甘めを目指しました!
12月からまたライブが始まるので前半に更新できたら…。

拍手等頂けると力になります。よろしくお願いします!


SHOCK、1000回記念当選しますように!!
……言霊言霊…。
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ビターショコラ 

[ 結婚前]

「入江くん、お誕生日おめでとう!」

「これ…。」と差し出された箱の中身は毎回違っていたけど、それに籠められた思いだけは彼女の手に乗る小さな箱には収まりきらないほど詰まっていたことは痛いほど感じていた。

恋だの愛だの、そんなものに必死になるなんて馬鹿らしいとせせら笑っていた彼には理解できないくらいの甘ったるい感情。
けして両親の仲が悪いわけではないのに誰かと手を取り合って歩む自分なんて想像も出来なかった。
他の同級生たちのように浮かれた感情を持つこともなかった。
それなのにあの小さな手だけは離さないでいたいなんて。
押し付けた唇の甘さをもっと味わってみたいだなんて。
彼女から与えられていた甘い甘い感情が、ほろ苦いを通り越してただの苦痛に成り下がりそうになってようやく気づくだなんて。
馬鹿にしていた感情は甘いだけではないと言うことを彼は彼女を知って初めて学んだ。



「入江くん。」

時計の針が十二時を迎える少し前
帰宅した彼を、物音を聞きつけた彼女は寝巻き姿で出迎えてくれた。

「お疲れ様。今日も遅かったね。」

無言で立ち尽くす彼に視線を合わせられず、もじもじと手を後ろに組む彼女はきっと知らない。
彼が、彼女が出てくることを期待してわざと足音を立てながらも彼女の部屋の前になるとゆっくり歩いていたことを。
きっと用意してくれているであろう贈り物を期待していたことを。

「あの、あのね。あたし、どうしても今日中に入江くんに会いたかったの…。」

小さくつむがれる言葉。
彼女の大きな瞳が彼を写すと同時にすっと目の前に差し出された箱に知らず彼の目が細まる。

「これ…。」

彼女の手に収まるような、綺麗に包装された箱。

「お誕生日おめでとう。」

それを手に微笑む彼女が愛おしくて、言葉にならない気持ちのままに彼は彼女をそっと両手で包んだ。

「い、入江くん!?」
「…静かにしろよ、おふくろが起きてくるだろ?」

普段の積極的な態度とは別の彼女に彼が小さく笑うと、むくれた彼女がぎゅっと強く彼に抱きついてきた。
片手で贈り物を大切に抱えながら。

「い、入江くんがちゃんと受け取ってくれないからじゃない。」
「受け取ってるよ。」

箱から溢れそうな愛情ごと彼女の全てを。

「…中身、気に入ってくれるといいな。」
「どうせまた一日中探してたんだろ。」
「もう!もっとほかの事に時間を使えって言いたいんでしょ。でもね、今回は違うんだよ。お母さんと言ったブライダルエステの帰りね、いいお店を見つけたの。絶対に入江くんに似合うと思って!」
「ふぅん。」
「出来たら使って欲しいな。」
「ああ。ゆっくり見させてもらうよ。…コーヒー淹れてくれるか?」
「もちろん!」

にっこりと微笑みながら彼女が彼の腕から離れる。
踊るように階下に降りようとする彼女の背中に彼は思い出したように声をかけた。

「…そうだ、琴子。」
「うん?」

なぁに?と戻ってくる彼女にスーツのポケットから小さな包みを取り出す。

「口あけろよ。」
「口?」

首を傾げながらも「あーん」と彼女が口を開くと簡易包装された包み紙を剥いで彼女のピンク色の唇に持っていく。
小さなそれは彼女の口の中にころんと姿を消した。

「チョコレート?」

もごもごと租借して彼女が彼を見上げる。

「ああ、取引先から貰ったあまり。」
「…あんまり甘くないんだね。」
「そうか?」
「うん。食べてないの?」
「甘そうだったから。」
「ビターみたい。あたしにはちょっと苦いく…」

言いかけた彼女の唇を塞ぐ。

「甘いよ。」

彼の心のように。
彼女のぬくもりでとけていく。






お久しぶりです。
すっかりご無沙汰で…。
入江くんの誕生日から一日遅れましたが折角の機会。
久しぶりにPCの前に座ってみました。
相変わらずの文ですし、似たような文章の並ぶサイトに期待してくださる方がいらっしゃるか分かりませんが、始めたからには全て終わらせてから止めようと思っております。
それまでに書きたいものもいくつかありますし。
年末に向けて忙しくなってきたのでゆっくりではありますが…。
自己満足のために始めたサイトですので満足いく文が書けるように頑張ります。

今回もイメージは同タイトルの曲から。
改めて聞いていたら歌詞がまんま当てはまる気がしました!

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幸せの香り 

[ 結婚後]

「琴子、シャンプー変えた?」

くんと頭の上で入江くんが鼻を動かす音がする。
ぎゅっと抱きしめられて、目を閉じていたあたしはそっと伺うように入江くんを見た。
地肌に鼻がつきそうなほど近い入江君との距離。
結婚前では想像さえ出来なかった近さにちょっとだけ腰が引ける。


だって、だってよ!…こんな風に改めて匂いをかがれることなんてないから。
さっきまで皆で賑やかにパーティーを開いてくれたから余計に。
2人きりの空間にドキドキが止まらない。

つっと入江くんの体が動いて持ち上げられた髪に唇があてられる。
ちょっと恥ずかしいけど、確認は必要よね!入江くんが気に入らないなら意味がないし。

「うん、理美が誕生日にってくれたの…。この匂い、嫌?」
「…別に。いいんじゃない?」

そっけないけど、この反応はどうやら大丈夫だったみたい。
その証拠にさらって音がして捕らわれた髪が軽く引っ張られるのを感じる。
入江くんの、細いけど節だった指に巻かれてはするすると逃げ出すあたしの髪。

その内入江くんは大きな手で地肌をすくように撫でてくれた。
大きな手が気持ちよくて目を閉じる。

入江くんは匂いのきつい物は嫌いみたいだから、普段から本当は気にしてるの。
それを知ってる理美が選んでくれてあたしも気に入ったから。
気に入ってくれてよかった。

なんて心の中で言い訳しながら、本当は興味もなさそうにしてた入江くんがこんな小さな事に気づいてくれただけで胸がきゅんと苦しくて。
些細なことが嬉しくて頬がゆるむ。

普段は甘やかしてくれない入江くんだけど、あたしに触る指はいつも優しくて、気持ちいい。
でも今日は特別に優しくて、気持ちよくて…。
ばーかって言われちゃうかもしれないけど、指先でお祝いしてくれてるみたい。
すいては巻き取られる髪。

最初はどうしようかと思ったけど、入江くんがそうしている間、あたしはぎゅって入江くんに抱きついて入江くんの匂いを堪能できるようにまでなった。
撫でてくれる入江くんの邪魔にならないように、あんまり頭を動かさずに。
今日も鼻先をこすりつけるように顔を埋めるといつも同じ清潔感のある匂い。
どきどきもするけど、それよりも入江くんの匂いに包まれてるだけで安心する。
幸せの香り。

「琴子。」
「んぅ?なに?」

入江くんが呼ぶだけで特別な気のするあたしの名前。
弾かれるように見上げると入江くんと目が合った。
ちゅっと額にキスされる。

「…おめでとう。」

言葉と一緒に降ってくる優しいキス。

…知ってる?入江くんが言ってくれたその言葉だけで本当に嬉しいの。

チュッチュッと連続で降り注ぐ軽いキス。
特別な日だから、期待してなかったわけじゃないけど。
顔中にキスを落とされながら、シャツの中に忍び込んできた手に肌を撫でられて身をよじる。
恥ずかしいけど、あたしが拒否しないのを感じたのか入江くんは目を細めてそっと顔を近づけてきた。
あたしの大好きな入江くんの瞳が細められるのを見て目を閉じる。


生まれてきてよかった。
私を生んで育ててくれた両親。
手助けしてくれた家族や友達。
だぁい好きな入江くん。

ありがとう。






ご無沙汰しております。
今日はせっかくの琴子ちゃんのお誕生日。
何かしたかったのですが、つい最近引っ越しまして片づけが終わらず、ネットもない状況で…。
仕方がないので以前書いていた物をスマホで直しました。
でも長い文章はかなり見にくいので、文にいつもよりもまとまりがないかも…。

しばらくは王子のソロコンで遠征も立て込むので…更新が疎かになりそうです。
すみません…。
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9日10日のレスです! 

[ 拍手レス]

>光子様
コンサートの終盤って感じですよね!
早速今日通勤時に『もう君意外愛せない』を聞き返してみました。
この曲もコンサートでのハモリを思い出してしまいますが、詞も珍しくストレートに甘い感じでいいですよね。
早速ちょこちょこ妄想してみたり…。
落ち着きましたら挑戦してみたいと思います!
ちょっと聞いてみたかったのですが、光一君のソロとか行かれますか?(><)

>Ari様
毎回コメントいただきありがとうございます!
やっぱり幸せなお話の方が書いていて楽しいですね!ちょっとテレはありますが…(笑)
入江くんは口数も少ないですし、表情にもあまり出ない分妄想のしがいがあります。
琴子ちゃんは真っすぐで分かりやすいですもんね。
次はちょっと間が空くかも知れませんが、またコメントいただけると嬉しいです!
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このまま手をつないで 後 

[ 結婚後]

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拍手レス to  ari様 

[ 拍手レス]

はじめまして!
コメントありがとうございます!
続きと言われてついついハネムーン後からコトリンで会えなかった期間を想像して指を走らせてしまいました。
まずは前編のみでR指定には到達していませんが…。

ari様のご期待に添えるかどきどきですが、これからもご訪問頂けると嬉しいです☆
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このまま手をつないで 前 

[ 結婚後]

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言葉に出来なくて 後 (心音 直樹Ver) 

[ 結婚後]

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言葉に出来なくて 前 (心音 直樹Ver) 

[ 結婚後]

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拍手レスです 

[ 拍手レス]

>8月28日 おばちゃん様
いつも訪問ありがとうございます。
その後お母様のお加減はどうですか?

本当に気の赴くまま指を走らせていますし、所々分かりにくい事もあるかと思います。
読み手に徹することも多いですし…少しでも展開させて最後すっきりしていただけるように頑張ります!

>9月2日 no mane様
コメントありがとうございます!
琴子ちゃんの別版。
こちらも15すら指定がつかないのではないかと、ちょっと止めているんです。
ひとまず読みたいとおっしゃって頂けたので心音の直樹verを書き上げてもう少し足してみようかと…。
少しでもご希望に添えるよう、入り込んだものを目指したいと思いますので、もうしばらくお待ちください!
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心音 

[ 結婚後]

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Secret Code 9 

[ Secret Code]

「これ!」

勢いよく立ち上がり、痛めた足を庇いながら机に駆け寄った琴子は机上に散らばった写真をかき集めるようにして手に取った。
食い入るように写真に見入る琴子を確認すると、直樹は救急箱を手にゆっくりとその小さな背中に近寄る。
写真がなくなり、空いた机の上に救急箱が置かれると音を立てないようにと配慮したわけではないので、かたりとそれなりに音が立った。
それでも琴子が背後に立つ直樹の存在を気にした様子はない。

3枚の同じような写真を穴が開きそうな勢いで見つめる琴子の背後から覗き込むように手元を見る。
直樹が自ら撮影したその写真は全て大皿の裏面のみが撮影されており、一見すると同じものを写したように見えた。
それでもそれが全て別のものであるのはすぐに分かる。
裏面。
高級な焼き物であれば窯元の刻印が入るだろう位置にはおよそ無関係に思われる文字があった。
松本家、高宮家、鴨狩家。
それぞれの皿にそっと。
―その暗号こそ琴子の目的だと直樹には分かっていた。

「おい。」

放っておけばいつまでも写真を見ていそうな琴子の注意を引くべく声をかける。
しかしそれでも琴子からの反応はなかった。

「おい。」

もう一度。
先ほどよりは少し大きな声で声をかけるものの、それでも反応はない。
直樹はひとつ大きな溜息を吐くと、長い腕を伸ばして琴子の肩を抱いた。
急な重みに直樹の腕の下にある琴子の肩がびくりと跳ね、手にしていた写真が床へと落ちる。

「きゃっ!っ」

大声を上げそうな琴子の口を、直樹はなんなくまたその大きな手で塞いだ。

「静かにしろ。」

いつの間にか近くにいた直樹の手で口を塞がれた琴子は、こぼれんばかりに大きな目を見開いた。
後ろから閉じ込められるように回された腕に気づき、琴子の心臓が弾けんばかりにどきどきと音を立てる。
耳までを赤く染め固まる琴子に、直樹は思わず苦笑した。

「…騒がねぇか?」

こくこくと激しく首を上下に振って答える琴子を見て、直樹はそっとその小さな体を開放する。
息を止めることはしていなかったはずだが、どうやら鼻で呼吸をすることすら忘れていたようで、琴子は手を外された途端肩で大きく息をしていた。

「さっきから女の子の口を何度も…失礼じゃない!」

少し落ち着いたのか、赤く染まった頬に涙を滲ませた琴子はきっと直樹を睨む。
ぷりぷりと丸い頬に空気を溜めた琴子は怒りを表すように腕を組んだ。

「お前の声がでかいからだろ。」

口を突き出した琴子の顔はお世辞にも怖いとは思えず、直樹は鼻で笑う。
ますます琴子の口が尖るが、何か言おうとした琴子の口を今度は指を一本当てることで塞いだ。

耳をそばだてると静かに階段を上る音がして、琴子と直樹がいる部屋の扉がとんとんと控えめにノックされた。




お久しぶりです。
どれだけの方が来て下さっているのか分かりませんが、更新もないのに拍手ありがとうございます。
さらっと遊ぶはずだったこの話。
なぜこうも長くなっているのか。

長編の方も書こう書こうと思ってはいるのです。
短編も。でも妄想で満足してしまって内容が思い出せない、まとまらない。
他の方の素敵なお話を読んでにやにやする日々です。
残暑も厳しいですが、皆さんお気をつけ下さい。
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star main 

[ 結婚後]

ドォン!ドォン!!


立て続けに腹に響く重低音に、直樹は緩慢に開けた頭上へと視線を向けた。
漆黒のキャンパスには長い尾を引いた種が打ち出され、色とりどりの光の花を咲かせる。
川辺の打ち上げ会場には、夏特有の暑苦しい気温にも負けず歓声を上げる人々で溢れていた。
男も女も関係なく。
思い思いのいでたちで夏を楽しんでいる様子が肌で感じられて直樹は今更ながら面倒くさそうに軽く首を左右に振った。


直樹だって花火が最大の夏の風物詩だとは思っているし、綺麗だと思わないこともない。
それでもいかんせん人が多すぎる上に、職業上連絡も取りにくく動きづらい場所を倦厭していたこともある。
嫌だ嫌だと言いながら結局来てしまったのは、二人で花火大会にとの琴子の熱意に負けたとしか言いようがない。


「綺麗だね!」とはしゃぐ声に直樹が視線を落とすと、琴子はきらきらと光を映した瞳で花火を見上げていた。
いつも通りの裏工作で今日直樹と揃っての休みをもぎ取ってきた琴子は、今日という日に相当な気合を入れて用意していたのだろう。
昼ごろに男物の浴衣を差し出された時には辟易したものだが、いつも騒がしいほどに賑やかな琴子の浴衣姿はしどけなく、悪くなかった。
白地にピンクの花柄の浴衣を着た琴子は、纏め上げた髪も手伝い、めったに感じさせない女性らしさを感じさせる。
川縁で多少風があるとはいえ、夏真っ盛りの気候で後れ毛が張り付く白い首筋は中々見ごたえがあった。

一つ一つの花火に手を叩いて喜ぶ琴子に、自然と直樹の切れ長の目が細められる。

「琴子。」

女性らしいようで、無邪気な顔を見せる琴子。
その琴子ほどではないが、夏の夜の情緒に当てられているのは直樹も一緒だった。
琴子とはきっと方向性は違うだろうが、常とは違う時間に直樹は妻の名前を呼んだ。

「ん?」

打ち上げ花火と周囲の喧騒はあったが、2人の距離は近く、声が聞き取れないことはない。
そっと呼ばれた自分の名に、琴子は目線を頭上の花火に向けたまま喉を振るわせるだけで返事をした。

琴子の瞳には依然として赤や青の光の洪水で溢れている。
中盤の盛り上がりに一瞬でも目を逸らすのが惜しいのだろう。
それを理解し、美しいと思いながらも、直樹は少し面白くないと思う自分を否定できなかった。

結婚してからすでに何年も時間が経っているが、琴子はいつも変わらない。
学生だったときも仕事についてからも、直樹一筋で直樹がどこにいて何をしていようと琴子の視線が揺らぐことはなかった。
こんな風に隣にいながら、琴子の瞳に直樹が移らないことなどそうはなかった。

同じものを見て感動を共有したいのだろうが、さっきから琴子は「綺麗」しか言わないし、直樹としても他の言葉を持ち合わせていない。

「琴子。」

声に甘さを含ませてもう一度。

「んー、なぁに、入江くん?」

さっきよりは直樹は気にしているようだが、やはり視線は直樹に向かない。
めったに聞くことの出来ない琴子の生返事ではあるが、直樹は妻の意識を自分に向けさせるべくその華奢な腰を抱いた。

「きゃっ!…い、入江くん?」

急に引き寄せられた琴子の横顔が花火の光を移して赤く染まる。
大きくまっすぐな瞳に自分が映っていることを確認して、直樹はこっそり息を吐いた。

「花火も中々いいな。」

微笑む直樹に琴子の表情がぱっと明るくなる。

「そうでしょ!綺麗だよね!」

琴子を抱えるようにしながら直樹が頭上を仰ぎ見ると、ちょうどフィナーレの花火が盛大に打ち上げられた。
琴子もまた花火で昼のように明るくなった空を見ている。

「琴子。」
「なに?入江くん。」

見終わった観客の拍手で沸く中、直樹は琴子の唇に自分の唇を押し付けた。




昨日淀川花火を見に行ったので書いてみました。
琴子ちゃんが入江くんに生返事することなんてないのではないかと、ただそれだけの小説です。

最近は韓国の「私たち結婚しました」にはまってよく見ておりました。
夫婦やラブラブってこういうことかとお勉強(笑)
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拍手レス >おばちゃん様 

[ 拍手レス]

コメントありがとうございます!
お母様が入院…そんなお忙しい中訪問していただきまして…。

最近は中々文章がまとまらなくて更新が思うように行かないのですが、少しでも楽しんでいただけるように頑張ります。
おばちゃん様も、まだまだ暑い日が続きますので、どうぞお身体にお気をつけください。
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Kissからはじまるミステリー 

[ 結婚前]

昔のことが多少あったとはいえ、直樹は自分でもなに不自由なく育てられたと分かってはいた。
それでも我ながらひねくれた性格だと思うようになったのはかつて経験した、周囲の打って変わったような変わり身の速さと、それまでとはあまりに違う冷たい視線のせいに他ならない。
それまでの憧憬や思慕の視線は一夜にして完全に嘲りや中傷のものに変わり、一面でしかものを捕らえない愚かさをまだ幼い直樹に十分すぎるほど教えてくれた。
人間の汚さや冷たさも。
それまではもてはやされていたが、それすらも一瞬にしてなくなると思うと不必要だとしか思えなくなって、直樹はそれまで気づいていた小さな社会を自ら切り捨てた。

それと同時に、直樹の母親に対する認識も代わった。
それまでの直樹にとって母親は自分に一番の愛情を注いでくれる存在だった。
しかし直樹の人間不信の原因が、彼女の暴走癖のある性格に起因する部分があるせいで注がれていた愛情分、間違ったことをされていたように思えて余計に直樹を追い詰めた。
今でも母親の愛情を疑うことこそないが、素直に母親に従ったり内心を打ち明けたりすることもない。
何事にも苦労をしない境遇や才能は直樹から人に対して心を開く機会を完全に奪った。
羨望や嫉妬、向けられる視線の全てが煩わしいと半ば本気で思っていた。



「あ、あの入江くん、これ!」
「…いらない。」

だから最初。
名前も知らない女生徒に手紙を差し出された時も、いつものように取り付く島もなく断った。
偶然にもその女生徒が同居することになった時も、自分には無関係だと思って聞き流した。
振った以上もう関わることもないと他人事のように思っていたはずなのに、実際彼女が越してくると無関係に過ごすことなど到底出来ず、その面倒さに気づいた時には愕然としたほどだ。

彼女―相原琴子はそれほどまでに直樹にまとわりついてきた。

「入江くん」「入江くん」とどんなに冷たくされてもめげずに。
決して直樹の本意ではないのに、渋々ながら彼女の勉強を見てやったり、面倒に付き合わされたことも一度や二度ではない。
なんでも器用に出来る直樹と違い、どんなに一生懸命に取り組んでも何も出来ない琴子をいつからか放って置くこと出来なかったとも言える。
彼女を気に入った母親がうるさいからと言っては見るが、本気になれば拒否できることは知っていた。

それでも付き合ってしまったのはなぜか。

全く直樹とは似ても似つかない彼女だが、彼女が呼ぶ彼の名前はいつもきらきらとしていて愛情がこもっているように見えた。
楽しそうに歌うように。時には恥らうように。
いつだって色がこもっている。
それは声に限ったものではなく、彼女は彼がどんなに突き放してもそのまなざしにはいつも直樹への憧憬にも似た思慕があった。
遠の昔に切り捨てたはずのくだらないもの。
でも信じていたかった小さな世界。

それが理由だったかも知れない。


「やめるっ!もう入江くんのこと好きなのやめる!」
「ふぅん、忘れちゃうんだ。俺のこと。」

涙の浮かぶ瞳は彼女の強がりを彼に伝える。
それでも彼にはなぜだか面白くなかった。

「そーよ!入江くんの性格なんてよーく分かったもの!すぐに忘れて大学でもっとかっこいい人を見つけて…」

男だと知り背を向ける同級生たち。
今はもうそんなことはないと知ってはいても、彼は彼女が起こす迷惑なほどの騒動を知ってしまった。
騒々しくも明るい彼女のいる毎日。
その目が他に向けられるのは面白くない。

「…じゃぁ忘れてみろよ。」

好きなんて気持ちは知らないし、人と関わるなんて、しかもそれが琴子だなんて面倒なことこの上ないと思っていたのに。
気がついたら琴子を壁に押し付けて唇を重ねていた。
母親からの執拗な干渉も直樹にとって本当に鬱陶しかったはずなのに。
それでも心のどこかで分かっていたのかも知れない。
彼女が彼の全てを受け入れ始めていることを。
面倒に思うことも、苛立つことも多いけれど、最近それだけではないことも増えてきた。
琴子を通して他に目を向けることも出来たし、もう少しこのままでいるのもそう悪くはない。
あの日以来始めてそう思えたから。

直樹は触れる唇の柔らかさとその震えに満足した。




なにが書きたかったのか…。
相変わらず会話分も糖分も少ない文です。

4代目一ちゃん、山○くんなのかぁっと思った次第です。
銀狼はだった私ですが、初代一ちゃんは小学校ではやりまくってて毎週見てました。
再放送しないかなぁ。

ということでタイトルはそのまま「Kissからはじまるミステリー」から頂きました☆
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22日、拍手レスです。 

[ 拍手レス]

>光子様
お祝いされました?21日は他にもみなさん各地でお祝いされたようで( ´艸`)
ftrに届くといいですね♪

私も暗い曲が好きなのですが、ハッピーエンド主義なのでどうしても10巻前後に(>_<)
でもいい曲ばっかりだし妄想もはかどります!
すでに何曲か候補が…光子様も是非聞き直してイリコトっぽい曲を教えて下さい☆


>ema様
はじめまして!
ご訪問ありがとうございます。
…もしかするとサイトをお持ちですか?
未熟ですので緊張いたしますが、少しでもお楽しみいただけると嬉しいです!
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願う以上のこと 祈る以上のこと 

[ 結婚前]

ずっと、入学式で一目見たときからずぅっと憧れてたの。

違うクラスだけど一緒のクラスになれたらって。一生懸命勉強もしたわ!
…でも結局どんなにテスト前に机に向かってもいつの間にか寝ちゃってて…。
あたしの祈りは神様にも仏様にも届かなかった。
七夕でもクリスマスでもとにかくお願いしたのに…。
もう三年。ついに同じクラスになる願いは叶わなかった。
A組になれないって分かった日はショックだったけど、このままじゃだめだもん!

机の上に広げた薄ピンクの可愛い便せんを前に気合いを入れる。
もう勉強する気になれなくて、机の上にはほとんど何も乗ってないけど、入江くんに書く手紙に誤字脱字は許されないから、辞書だけは用意しておいた。

入江くんは頭も良くてかっこよくて、おまけに運動神経も完璧。
目があったり、お話したりしたことがないわけじゃないけど、出来たらもう少し話してみたい。

とりあえずあたしの気持ちを知ってもらって、お友達になりたい。
もしかして入江くんだってあたしのこと密かに見てくれてるかもしれないし!
…このまま卒業しちゃったら入江くんのこと見に行くことも出来ないかもしれないし、もしかしたら一生会えないかもしれないもん。そんなの絶対嫌っ!

あの綺麗な顔で笑って欲しい。
低い声で名前を呼んでみて欲しい。
ちょっとでいいから隣に並んでみたい。
そしたらきっとあたしは入江くんを下から見上げるの。
…もしかしたら入江くんは身長が大きいから首が痛くなっちゃうかも。

ふふっ。

入江くんっていつもどんなこと話してるんだろ。
いつも一緒のめがねの男の子。
もっともっと入江くんのこと知りたいな。

明日、この手紙を渡したら。
少しはあたしを見てくれるかな。


─────────
告白前夜の琴子ちゃん。独白です。

今日はKinKiの15回目のデビュー記念日♪今から友人たちとお祝いです(笑)
でもこういう日にかぎって、気分が上がってるからか書きたい話が浮かんできます。
タイトルもKinKiから頂きました!
願って行動を起こして、結婚した琴子ちゃんは奇跡を起こしてますよね。
憧れの気持ちは私の中にも溢れんばかりにありますので、次はそういう要素を盛り込みたいです!

…ついでに連載も半分くらいはパソコンにありますので、近いうちに…。

いつも沢山の拍手ありがとうございます!
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>おばちゃん様 

[ 拍手レス]

お久しぶりです。最近ご無沙汰しておりましてすみませんでした。
気分屋で計画性のないやつですがこれからも宜しくお願いします!
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Secret Code 8 

[ Secret Code]

「ここは…?」

直樹の腕に抱かれ魂此処にあらずと言うほど放心した琴子は、直樹が片手で器用に門扉を開けるまで自分がどこに連れてこられたのか気づいていなかった。
門扉がたてるきぃと金属が軋むかすかな音にふっと我に返った琴子は、直樹の腕の中から大きな白い建物を振り仰ぐ。
そこは見覚えのある建物で、琴子は目を丸くした。


**********


「あの…?っ!」

しゅるしゅると琴子の華奢な足首が琴子の前に跪くように腰を落とした直樹によって器用に白く覆われていく。
時折様子を見るように動かされる足首は、琴子が思っていた以上の傷みをもたらしたが、腫れがすっかり白い包帯に覆われる頃には多少動かされても痛むことはなかった。

「あの…、入江…刑事?」

琴子の声に反応して顔を上げるが、直樹は何も言わず外れないようにテーピングを施すと器具を片付けだした。
直樹に手によって下ろされた寝具は紺色のカバーがかけられていて、肌触りだけでも高級と分かる。
覚悟していた煎餅布団とは違う肌触りに戸惑いながら、琴子は痛めた足を庇って立ち上がった。

「あの…。」
「…。」

広い背中に声をかけるが、やはり返事は返ってこなかった。

「あの…入江…さん?あの、聞こえてませんか?入江さん。入江さーん。…んもぉ、なんなのよ!入江くん!」

聞こえなかったのかと続けて声をかけるが直樹は反応せず、琴子はだんだんむっとしながら直樹に呼びかけた。
応えるまでと何度か呼び続けるが応えては貰えず、半ばやけになって頬を膨らませるとあらん限りの大声で呼んだ。
そのかいもあってか、ようやく振り向いた直樹は嫌そうに眉をしかめていた。

「…しつこい、なんだ?」

不機嫌そうではあるが、切れ長の整った目で見られて不覚にも琴子の心臓は大きく高鳴る。
それを誤魔化すように琴子はひとつ咳払いして直樹に向き直った。

「あの、あなたがあそこにいたのは私の手紙を読んだからですよね?」
「手紙?」
「コトリーナって書いてあったでしょ!」
「…ああ、あったな、そういえば。」
「あったなって!」

予想していたのとは違う答えに琴子の口があんぐりと丸く開かれた。

「あんまりにひどい文章で忘れてた。」
「んまぁ!」

悔しさに琴子の眉がよる。
それを見て直樹はふっと口元を上げたが、直樹が何か言う前に琴子の目が今度は零れ落ちんばかりに大きく見開かれた。

部屋に置かれた机の上には、何枚かの写真が置かれている。
それらは全て件の大皿が写されていた。


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Secret Code 7 

[ Secret Code]

「んんっ!」

口を塞がれくぐもった声をあげながら、琴子は自分を押さえ込む腕から逃れようと小さな両手を自分の口元にある手に添えて抵抗した。
それでもごつごつとした骨っぽい手は離れず、腰にまわされた腕で一層強く閉じ込められる。
ぐっと押し付けられる熱に自分よりもはるかに大きな体躯を感じながら何とかしなければと琴子が手足をばたつかせると「静かにしろ」と背後から低く声をかけられた。
耳にかかる吐息にびくりと肩を跳ねさせると思わず息を潜める。

一拍置いて琴子が引き込まれた植え込みの前を通る、汚れて履き潰されたスニーカーが見えた。
先ほど廊下で出会った男がいまだ琴子を探しているようで、時折イラついた男の声が頭上から降ってくる。
その度に琴子の体は情けないほどに震えてしまい、さっきは恐ろしかった背後の体温に思わず縋ってしまいそうになった。
実際押しとどめていたつもりが少しでも住人に見つからないようにとしていたらしい。
琴子の体は背後の男の腕の中で小さくなるようにぴったりと密着し、男もそれを黙って受け入れていた。

「諦めたみたいだな…。」

どれだけ時間が経ったのか。
男の声に我に返った琴子は、男の顔が思った以上に近かったことに驚き今度こそ男の手を振り払って振り返った。
状況が状況とはいえ、仮にも若くか弱い女性である自分の口を無遠慮に押さえつけていた男に、一言文句を言ってやらなければと意気込んで振り返る。
が、男の顔を見た途端琴子の言葉は不満を訴えることなく、変わりに短い悲鳴が小さな彼女の唇からこぼれた。

「なんだ?」
「い、入江くん!」

直樹に予告状を出すにあたり、琴子は警視庁に直接潜り込み、直樹のことを調べていた。
経歴から言って少し上だと思っていた直樹が同年齢だと知り、ついつい勝手な親近感を覚えて影で入江くんと呼んでいたのをうっかり本人の前で言ってしまった琴子は頬を赤く染めながら少しでも直樹から距離をとろうとした。
いまだ直樹の腕の中にいたため逃げ出そうと腰を上げる。

「あ、えっと…っ!」

じりじりと後づさるものの、直樹からそう距離を置くこともなく、琴子はまたぺたりと尻餅をついた。
動きやすさを重視したショートパンツ。
その軽装から伸びるまっすぐな細い足。
琴子はその付け根、足首を押えながら痛そうに眉根を寄せた。

「…どうした?」
「なんでも…。」

直樹から見えないようにじりじりと足を小ぶりな尻に隠そうとするものの、動きの鈍い琴子では上手くいかず、直樹に簡単に足を押さえられてしまった。

「…腫れてんじゃねぇか。」
「ん…。」

そっと、先ほどまでとは違って壊れ物を扱うように直樹は琴子の足に触れた。
その手は驚くほど優しく琴子の心臓は壊れそうなほど大きな音を立てる。
きっと直樹はあの手紙を読んで琴子を捕まえるために此処にいるのだろうが、まっすぐな目を見ていると変な誤解をしそうになる。
結局目標は達成できなかったが、さっき他の男に捕まるかも知れないと思ったことに比べれば感謝してもいいくらいだ。
ぎゅっと覚悟して琴子が硬く目をつぶると琴子のひざの下にすっと腕が差し入れられ、琴子の体は軽々と直樹に持ち上げられた。

「きゃっ!」
「…静かにしろ。」

耳元で騒がれて直樹の眉間がまた深い皺を刻む。
「お、おおおお姫様抱っこ。」声にならない声でそれだけ呟くと、琴子は自分の立場も忘れ、思わず直樹の広い胸に顔を埋め、その胸元のシャツを掴んだ。
文句を言おうかと思ったものの、耳まで赤く染めしおらしく黙り込んだ琴子に直樹は溜息を吐くだけに留めてそっと植え込みの影から抜け出した。

人の目を盗み直樹が琴子を抱いて鴨狩邸を後にすると、遠くからサイレンの音が響いた。






ずいぶんご無沙汰しておりました。
相変わらず仕事でばたばたとしておりましたが、健康面では問題なく、私生活で時間をとられていました。
他にゲームにはまっていたということもあります。
きちんとご挨拶していない間、更新がないにもかかわらずたくさんの拍手を頂きありがとうございました!
私生活の問題も一段落いたしましたし、引きこもり気味の私には外出がつらい季節にもなって参りましたので、また更新を頑張れるようにいたします。
相変わらずのぐだぐだっぷりですが、これからもよろしくお願いいたします。
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Secret Code 6 

[ Secret Code]

琴子―今はコトリーナを名乗っている―が狙う皿は全部で5枚あった。
その内の4枚の在処はすでに分かっている。
分からない残りの1枚の行方を捜しながら、何とか手元に全ての皿をそろえようと琴子は小柄な体を活かしてここ数日奔走していた。
しかしその努力も空しく入江家では刑事である直樹に見つかり、松本家、高宮家でもそれぞれ家人に見つかってしまった。
今度こそと意気込む、琴子の鼻息は荒く、肩も過剰なほどの力が入っている。

こうなってくると結果は火を見るよりも明らかだ。


***********


「待ちやがれ!」

「やだぁ!なんでぇ!」

情けない声をあげながら琴子は日本家屋の廊下をひた走っていた。
泣きそうになりながらも捕まるわけにはいかないと懸命に走る。
琴子の姿を認めた瞬間追いかけてきた男は、此処の家人なのか、琴子とそう年格好は離れていないように見えた。
長い髪をひとつに縛っているらしく、確認するように振り向く琴子の目に時折男の黒い尻尾が見える。

していることを考えたらいつこんな危険な目にあってもおかしくないとは思っていたし、今までも全て見つかっている。そう考えたら今までは運のいい方に違いない。
それでも今の状況は琴子の覚悟とは違った。
捕まってもいい、捕らわれたい。そう思ったのはこの男ではない。

荒い息をつく琴子の脳裏に一人の男が蘇える。
少し冷たく見えるほど涼しい眼をした長身の、綺麗な顔をした男。

前回は見ても貰えなかったのか、忍び込んだ高宮家に男―直樹の姿はなかった。
急に送りつけたため悪戯だと判断されたのかもしれないが、どうせ捕まるなら直樹にと思った事を琴子は諦めていない。
こりもせずに今回も警視庁の入江直樹宛に手紙を送ってある。
日付も時間も、もちろん場所も。全て伝えてあった。

こんなところで直樹以外の男に捕まってたまるか!そう思って琴子はようやくたどり着いた窓枠に手をかけるとぐっと力を入れて体を窓枠の外へと押し出した。
間一髪で追いかけていた男の手が琴子の背中に伸ばされる。
一瞬背中に触れた感触に、琴子は背中の毛がよだつのを感じながら重力に身を任せた。


**********


「くそっ!どこに行きやがった!」

足音も荒く玄関から回り込んできた男が琴子の出て行った窓の下まで来た。
肩を怒らせながら周りを見回すが、もう琴子の姿はない。
琴子が飛び出していったのは2.5階とも言える、鴨狩家でも一番高い位置にある窓だったため啓太としては一度階段を降りて玄関に回る道を選ぶしかなかった。

すっかり影も形もない小さな背中に、啓太が悔しげに長く伸ばした髪をかき乱す。
舌打ちしながら見上げる窓は高く、よくこんな所からと感心するような場所ではあった。

そしてそれは琴子にとってもそうだった。
急に追いかけ回されたためやむを得ずあの窓から出たが、下見した進入経路とは違い、予定外もいいところだ。
思ったより遠い地面に、懸命に受け身を取ったが間に合わなかった。
下がよくある玉砂利などではなく、庭園風になっていたのが救いで、柔らかい地面に強かに降りた琴子は軽く足をひねってしまった。
どうしようかと困惑するものの、頭上からは絶えず叫び声が聞こえ、すぐにでも追いかけてきそうな雰囲気があった。
かと言って無理を押し通して走ったところですぐ捕まってしまう。
隠れ場所を探して左右を見渡す琴子の口が何かに包まれて後ろの植え込みに引きずり込まれた。


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Secret Code 5 

[ Secret Code]

「入江警部、警部宛にお手紙が届いていたんですが…。」

頬を染めた婦人警官がおずおずと白い封筒を直樹に差し出した。
何を期待しているのか、上目遣いで見つめてくる警官はもじもじと身をよじっている。
思わず溜息を吐きそうになりながら、それを飲み込むと直樹はさっさと手紙を受け取った。
80円分の切手が貼られた封筒は軽く、薄い。
表書きにはお世辞にも綺麗とは言えない丸文字で入江直樹様とあった。

「…ありがとう。」

耳の横で軽く振ってみるが、かみそりの類などの心配もないらしく、かさかさと紙の音だけがした。儀礼的に礼を言うと手紙を手にさっさと踵を返す。
自分でも愛想のいい対応とは思えなかったが、制服を着た婦人警官は直樹と会話をしたことで満足したようでキャーッと悲鳴を上げた。
いつものこととはいえ、痛む頭を抑えることは出来ず、直樹は整った眉間に軽く拳を当てると今度こそ溜息を吐いた。

**********

「良!大変よ!早く来てちょうだい!」
「お袋?どうしたんだよ!?」

ヒステリックな女性の悲鳴に琴子は慌てて窓へと走りよった。
窓枠に手をかけて飛び降りると、着地した次の瞬間には敷地から出るために足に力を入れる。
初回から散々失敗してきているが、今回にいたっては目的の大皿を確認することも出来なかった。
早く逃げなくてはと思うものの、どうしても残念な気持ちを拭うことは出来ず、琴子はしょんぼりと肩を落とす。
それでも何とか立ち直り、琴子の身の丈より高いフェンスに手をかけると、小柄な体を活かしてひらりと門を飛び越した。

頭には自信がないが、足の速さと根気だけはあると自負している琴子である。
そのまま走り去れば確実に逃げ切ることが出来るだろう、そう思うものの、琴子は一瞬足を止めて玄関を振り返った。
豪奢な扉の前には誰もいない。
―我慢できずに出した手紙は読んで貰えなかったのか。
どうせ捕まるなら彼に、と決意しただけ琴子にとって寂しくはあったが、こんな失敗を見られるよりはましだったと思うしかない。
それでも期待が裏切られたようで再度肩を落としながら、琴子は長い髪をなびかせて振り切るように高宮と書かれた表札に背を向けた。




軽快な足音が周囲に響く中、琴子の背中が見えなくなったのを見計らって直樹はそっと組んでいた腕を解き壁から離れると高宮家の前に立った。
手には婦人警官から受け取ったあの封筒の中身がある。

「…何を考えてるんだ、あいつは…。」

直樹にしては珍しく、思わず独り言が口をつく。

怪盗コトリーナ

封筒と同じ筆跡で書かれた手紙は、いわゆる予告状だった。
琴子的には中々に可憐な名前に思えたが、直樹にしてみれば下手に手がかりを残すだけだ。
今は直樹が上手く懐柔して被害届すら出されておらず、事件化してさえもいないが、いつもそう上手くいくとは確証がない。
入江家に預けられたあの大皿も結局琴子の手には渡っておらず、もちろん被害届も出していない。
そもそも入江家ではあの大皿に関して被害届を出すつもりは毛頭ない。
今回もだ。
出させないように説得する。
琴子にとっては失敗だろうが、下手に成功されるよりも直樹にとってはその方が都合がよかった。

今頃は不審者相手に対応を話し合っているだろう住人を想像して軽い頭痛を覚えながら、直樹は高宮家のチャイムを押した。
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Secret Code 4 

[ Secret Code]

警察!

気になっていた直樹の職業を知れて、琴子は一瞬だが確かに喜んだ。
だがそれもつかの間で、すぐに花が萎れるようにしゅんと首をもたげる。

いくら目的があるからとは言え、琴子にとって警察と言うのは天敵と言ってもいい。
琴子のしていることを知ったら即御用の可能性もある。

自分の両手が手錠で繋がれているところを想像した琴子は、思わずぶんぶんと頭を左右に振った。
せっかく彼のことをいろいろ知って行けたらと思っていた矢先だけに残念ではあるが、琴子は泣かないようにぐっと唇を噛むと植え込みから立ち上がった。
とにかく今はこの場を離れなければならない。

「…まるでロミオとジュリエットみたい…。」

琴子の目に堪えきれなかった涙が一粒光る。
よく知りもしないシェークスピアの作品を想像すると、琴子は松本邸からようやく逃げ出した。
もう気分は完全にジュリエットである。

「どうして入江くんは警察なのかしら…。」

ブツクサと独り言を言いながら琴子は門扉へと走った。


**********

庭園を横切る小さな影に、直樹は思わず頭を抱えそうになった。
それを必死に抑え込むと正面の扉からティーセットの載ったお盆を持った松本姉妹が現れる。
素早く庭に人影がないのを確認し、直樹は不自然にならないようカーテンから離れた。

「お待たせいたしました。」

大きな来客用のソファーを勧められて腰を下ろす。
直樹が座ったことを確認して姉妹もその正面に腰を下ろした。

「それで?警察の方がなんの御用ですか?」

差し出されたお茶を「職務中ですから」とやんわりと断るが、再度妹にも勧められ、直樹はカップを手に湯気を立てる紅茶を一口飲んだ。
妹、綾子が直樹に興味を示すのとは対称的に、姉の裕子は落ち着いて堂々とした佇まいをしている。

「実はこの古美術品を探していまして。」

すっと直樹が取り出したのは一枚の古びた写真だった。
そこには入江家のものによく似た大皿が写っている。

「ああ、これならさっき見ました。よほど価値の分からない泥棒が漁ったらしくて、この皿だけが持ち出されそうに。」

裕子は写真をちらっと一別すると間違いないと直樹に押し返した。
綾子の方も同意して頷いている。

「その皿、見せて頂いても構いませんか?」
「ええ。散らかってますけど。」

どうぞ。と促す裕子に従って、直樹は応接間から松本家の物置へと移動した。


直樹の家にも劣らない物置には本来整然と物が納められていたのだろう。
それが見るも無惨に荒らされている。
もっとも姉妹によれば被害はまるでないらしく、ただただ掃除の手間が増えただけのようだ。

直樹の目的の大皿は物置を出た廊下にあった。
今まさに梱包しようとしたのか、廊下には遺留品とも言える手ぬぐいが落ちている。
この前とはまた違う柄のそれを、直樹は手袋をした手で押収した。

「被害届を出されるおつもりですか?」
「どうしようかしら。不法侵入を放置するのは気味が悪いわ。」
「刑事さん、私泥棒の顔見てるわ。」

逮捕してよと言う綾子にくすっと直樹は笑った。
冷徹そうな刑事の笑顔に一瞬姉妹の言葉が飲まれる。

「物は取り損ね、遺留品を残した上に顔も見られるとあれば余程バカな犯人のようですね。」
「まぁ…。」

言葉を濁す姉妹に直樹は余裕の笑みを浮かべた。

「この件は私に任せて頂けますか?お宅に害がないように警備はつけさせますので。」

有無を言わせない態度でそう言うと、刑事は大皿の写真を表裏撮って松本邸を後にした。


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Baby Love 5 

[ Baby Love]

「…ただいま。」

夜遅く、直樹は家人を起こさないようにそっと玄関の扉を閉めた。
案の定室内は暗く静まり返っていて直樹は内心落胆しながらも、それをおくびに出さずに靴をスリッパに履き替える。

疲れが溜まった足は重く、溜息が口をついた。
自分の気持ちに正直になってから、早く帰りたいと思うもののなかなか思うようにはいってくれない。特に最近は直樹の意に反してだんだんと帰宅出来ないことも増えてきてしまった。
沙穂子との婚約解消は覚悟していた事態にはならず、結局大泉会長の支援もあって少しずつではあるが会社も持ち直している。
それでもやはり、安心できるだけの決定的な材料が欲しかった。
そうすれば、重樹の提案にも素直に甘えることも出来る。
また医者を志せる。
―重雄の許しこそもう得ているものの、琴子にも堂々と結婚を申し込める。
そう思った。

音を立てないようにゆっくりと階段を上がる。
風呂に浸かって手足を伸ばしたいが湯を追い炊きするのも煩わしく、シャワーだけで済ませようと思いながら階段を上りきると、つい廊下の奥にある琴子の部屋を確認する。
それはここの所の直樹の習慣で、いつもは暗いその部屋から今日はうっすらと光が漏れていた。

光に吸い寄せられるように自分の部屋を通り過ぎる。
時刻はもう0時を回っている。電気をつけたまま寝てしまったのかも知れないが、顔だけでも見たかった。
早く、それでも夕食もとっくに終わった時間になってしまうが-早く帰れた日は琴子に会ってその日の疲れを癒すのが早くも習慣化している。
もう寝ているだろうと思いながらもどこか期待する自分を抑えながら、直樹は一応のマナーとして琴子の部屋の扉を開こうとした。

ガチャ。

手を握った所で扉が内側に開かれる。
驚くかと思った琴子だが、意外にも彼女は冷静だった。

「入江くん、お帰りなさい!」

少し大きなパジャマは彼女を一層華奢に見せていて、直樹は思わず琴子をじっと見てしまう。

「どうかしたの?」

夜中なため声をひそめながら首を傾げる琴子をつい自分の腕の中に閉じ込める。
急なことに琴子はわたわたと手を上下に動かした。
それでも押さえつけるようにしていると、胸に抱いた琴子の頭が直樹を伺うようにそっと上を向く。

「…入江くん、疲れてる?」

上目遣いの琴子と目が合って、直樹は思わず小さく声を上げて笑った。
彼女は情けなく眉尻を下げて、自分こそが疲れていそうな顔で直樹を見ている。

「疲れてたけど、お前の顔見てたら忘れたよ。…なにか言いたいことでもあるのか?」
「うん、…ちょっとだけいいかな?」

申し訳なさそうに、でも少し甘えるように直樹に擦り寄ると、琴子は道を開けるように自分の部屋の扉を押し開けた。
相変わらず少女趣味の部屋だが、直樹は臆することなく中へ入った。


**********


琴子のベッドに並んで座り聞いた話は、直樹にとっても初耳で、意外だった。

「…今日ね、大学で沙穂子さんと会ったの。」
「沙穂子さんと?なんで?」
「単位互換…なんとかでね。斗南大学で単位を取るらしいの。」

斗南大学のF組と言われている文学部だが、教授陣はけして悪いわけではない。
単位互換履修生も受け入れているし、いくつか互換先の大学があるのは知っていた。
けれど沙穂子が来るとは思っていなかった。
今になって思えば、別れを切り出す前から決まっていたのだろう。
少し申し訳なさそうな沙穂子の顔が直樹の脳裏に浮かぶ。

「気にしないで仲良くして欲しいって言われたんだけど…。」
「…ならそれでいいんじゃないか?」

気まずそうな琴子の気持ちは理解できるが、それでもどうしようもない。
まさかこんな形で関わるとは思わなかったが、婚約破棄は沙穂子も納得の上だ。
はじかれたように顔を上げた琴子の目をじっと見ると、直樹は琴子の手をそっと握った。

「そんな…。」
「沙穂子さんには俺も悪いことをしたと思ってる。でも気づいてしまった以上嘘をつけない。…お前もだろ?」

直樹の目に映る琴子がこくこくと壊れた人形のように何度も頷く。
次第に琴子の目に涙が溜まり、小さな体が直樹の体に飛び込んできた。
柔らかい髪を撫でて頬を寄せる。
女性らしい温かみと琴子の匂いを感じながら、直樹はそっと目を閉じた。

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Secret Code 3 

[ Secret Code]

「…またお前か。」

頭上からの重みに耐えられず、男は琴子を抱えて尻餅をついた。
溜息を吐きながら、男はキッと琴子を睨みつける。
聞き覚えのある溜息にこわごわと琴子が様子を伺うと、そこには入江家で見た男がいた。
腰に回る男の腕に琴子の頬が赤く染まる。
痛ぇ…と眉を潜める男、直樹に琴子は慌てて頭を下げるとすっと離れた。

「すみません!大丈夫ですか?」

手を差し出すと直樹は不機嫌そうにしながらもその手を掴んで立ち上がる。
立ち上がった直樹はやはり琴子よりもかなり背が高く、琴子はどきどきしながら彼を見上げた。
彼の方は琴子を気にすることなく服についた埃を払っている。
改めて明るい日の中で見る彼はこんな不公平があるのかと言うほど整った顔をしていた。
ずっと見ていたい気がするが、琴子が出てきた窓からは姉妹の騒ぐ声が聞こえる。
名残惜しさを振りきり、「本当にすみませんでした!」と琴子は頭を下げた。
もしかしたらと希望も持っていたが、泣く泣く背を向けたにも関らず、背後から声がかかることはない。
追いつかれるかも知れないこともあり、琴子は駆け足でその場を離れた。

**********

「お姉ちゃん、警察!」
「うるさいわね、今からかけるわよ!」

きゃーきゃーと騒ぐ綾子を制しながら、裕子はコードレスの子機を手に取った。
110番にかけるべくダイヤルを押したところでそれを遮るようにチャイムが鳴る。
どうやら相当雑な犯人だったらしく、被害状況を確認しようとしたものの、無くなったものはなく、ただただ散らかされただけだった。
それでも裕子が大切にしていたコレクションがなぎ倒されていたこともあり、苛々していた裕子は乱暴に電話を置いて大股で設置されたインターフォンへと向かう。
小さな画面には男が一人で映っていた。
スーツ姿で、宅配などとは明らかに様相が異なる男に、裕子の秀麗な眉が寄る。

「…どなた?」

苛々を隠そうともしない裕子の声にも男はひるまなかった。
上方に設置されたカメラに顔を晒すように男は頭上を見る。
その顔はとても美しかった。
優雅な所作で羽織った背広の内ポケットに男が手を入れる。
目を奪われるようにただその光景を見つめていると、その手が黒い手帳のような物を握って再び裕子の視界に入った。
縦長のそれを男は開いて画面に掲げてみせる。

「警察です。少しお話を伺いたいのですが、お時間はよろしいでしょうか。」

黄金に輝く紋章には確かにpoliceの文字が輝いている。
偶然とは言えタイミングのいい訪問に、裕子は妹と目配せして玄関のロックを解除した。

「どうぞ、今お迎えに向かいますので。」



「警視庁の入江直樹と言います。」

手渡された名刺に、裕子は素早く視線を走らせる。
警部と書かれた肩書きの下にはゴシック体で確かに入江直樹と印字されていた。
警察の体系には詳しくないが、この若さで警部とは中々のものだろうと裕子は思う。
互いに軽く頭を下げて向き合うと、直樹が裕子の肩越しに室内を見て眉をひそめた。

「…空き巣ですか?」
「ええ。今警察に通報しようとしたところです。」
「被害状況はなにか?」

淡々と聞く直樹に、裕子も冷静に状況を振り返った。

「予定より帰宅が早かったので失敗したようでしたよ。」
「中を拝見しても?」

裕子は頷くと扉に身を寄せるように道をあけると、直樹が玄関内へと入っていく。

やがてパタンと扉が閉まると、植え込みががさがさと音を立てた。





すごいノリノリで書いております。
完全なる自己満足です。
今更ながら一話に前書きが必要ではなかったかと思うのですが…。
…ついて来て頂ける方だけついてきて頂ければ嬉しいです。

警察云々のことに関しては、推理小説好きなだけなので、雰囲気で誤魔化している部分がほとんどですので、どうぞ目をつぶって下さい。
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Secret Code 2 

[ Secret Code]

直樹に怒られながら入江家の掃除をして帰宅した女性―相原琴子は、くたくたに疲労した体を引きずりながら帰宅し、自分が手に何も持っていないことに遅ればせながら気づいて愕然とした。
確かに丁寧に梱包した覚えがあるのに。それを手に家を出た覚えがない。
そもそも忍び込んだ家には誰もいないはずだったのに。
思いがけず遭遇した住人、直樹によって計画は失敗してしまったことになる。

「うぅ…せっかく上手くいったと思ったのになぁ…。」

一度は成功したと思ったことを思い出して、琴子はがっかりと肩を落とした。
思わず重たい溜息が落ちる。
気落ちしたまま、更に重くなった気のする体をベッドにうつ伏せに預けた。
枕に頬を摺り寄せるように目を閉じると一度は手にした大皿の感触が蘇える気さえする。

「大体何なの?あの人。まだ歪んでるとかいちいち細かくてやな感じ。…しかも意地悪な言い方!同じ注意するのでも、もっと優しく出来ないのかしら…。」

自分が住居に忍び込んでいたことなどおくびにも出さずごろりと寝返りを打つと、黄色い光を放つ蛍光灯に向けて手を伸ばす。
せっかく初めて成功したと思ったのに、結局大皿を持ち帰れなかったことを思い返すと唇が尖り、不満が自然と口をついた。

琴子が直した美術品や骨董品を逐一チェックしては文句を言った彼は、恐らくあの家の息子だろうと彼女は見当をつけた。
事前の調査で入江家には2人の息子がいることが分かっている。
学生の次男と違い、長男の職業が探りきれずそのままにしてしまった事がまずかったと今になって思う。

「大体何なの?ちょっと背が高いからって見下ろしてくれちゃってさ…。」

琴子自身、だいぶ小柄なせいもあるが彼はとても背が高かった。
琴子が背伸びをして探した棚を何の苦もなく楽々と整理していたのを思い出す。

「いちいち溜息ついちゃって。ちょっと…ううん、かなりカッコいいからって冷たそうだし…。」

すらっとした体躯に小さな頭。
さらさらの髪に切れ長の涼しげな瞳。
薄い唇も形が綺麗で、溜息を吐かれるたびに思わず彼を見てしまった事も琴子は思い出した。

「でも本当にカッコよかったんだよね…。あんな人初めて見たかも。…やっぱりちょっと素敵だったなぁ。」

ちょっとやそっとではお目にかかれないという意味では彼こそ価値のある宝物のように琴子には思えた。
入江さん。歳が近いよう印象を受けたので入江くんだろうか。
目的が失敗してしまった以上、近いうちにもう一度入江家にも行くことになるだろう。

「もう一回、会えたりするかな…?」

会いたいな。
思わずそう呟いて琴子はぷるぷると首を左右に振った。

**********

「ちょっと!不審者よ!」
綾子!っと階下に向けて叫ぶ女性の声に琴子は慌てて窓に向かって走った。

これまた先日の入江家に負けない広い屋敷の広い物置で、隅の方に置かれていた大皿を見つけるまではよかったものの、琴子はどうやらまたミスをしてしまったらしい。
帰宅した姉妹が少しだけ開かれた部屋の扉を不審に思ったようで、ばれる前にとそっと物置を出たまではよかったが、開け放った窓に向かう途中、2階に上がってきた女性と遭遇してしまった。

琴子を見つけた女性の声を聞きながら、琴子は窓枠に手をかける。
背後から2人分の足音が迫ってくるのが聞こえて、琴子は慌てて窓枠に足をかけると確認もせずに下へと飛び降りた。

「ちょっと、待ちなさいよ!」
「お姉ちゃん!警察に連絡しなきゃ!」

窓から身を乗り出しながら叫ぶ姉妹に、琴子は急いで塀を乗り越える。
人通りの少ない道路に面した窓から忍び込んだため、人目につかないはずだったが、塀の向こうには人がいた。

琴子の身の丈を越える塀から飛び降りたため、気づいたときには遅かった。

「どいて!」

琴子が叫んだことで男が頭上を振り仰ぐと、その秀麗な顔が歪む。

「おい!」「きゃー!」

ドスンッと音がして、琴子は眉をひそめた男の上に倒れこんだ。
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Secret Code 1 

[ Secret Code]

その日は入江直樹にとって久しぶりの休日だった。
滅多にないことだけに、しっかり体を休めようと大きなソファーにもたれて趣味の読書を始める。
父、重樹と弟、裕樹はもう出かけており、母の紀子も習い事で家を空けていた。
おかげで家の中は物音ひとつしないほど静まり返っている。
直樹は一人でいるときにテレビをつけることはなく、音楽も聴かない。
ただただ本とコーヒーを楽しみながら爽やかな昼下がりの陽気を全身に浴びるのがいつもの直樹の休日だった。

今日も例に漏れず。聞こえるのは直樹がページを手繰る音とカップとソーサーが立てる小さな音だけ、のはずだった。

がたん。
静かな空間に明らかに異質な音が混じる。
物が崩れたような音だったが、紀子はいつも綺麗に整理整頓していたため、何かが崩れ落ちるようなことはあまりない。
施錠もしっかりしていたはずだが、いつも平日のこの時間入江家には人がいないことが多い。
もしもと言うこともあり、様子だけでも見ておこうと直樹は立ち上がると足音を立てずに物置のほうに向かった。

**********

「ああ、もう…やっちゃった。」

斜めに崩れてしまった絵画に、室内を探索していた女性は一見して幼く見える眉を寄せた。
大きなこの邸宅は物置も広く、探し物は中々見当たらない。
とりあえず元に戻しておこうと彼女は丁寧に一枚ずつ整頓を始めた。
まっすぐに並べているつもりが上に向かうにつれて徐々にずれ、がたがたになっている。

「うぅ…。…まぁいいか。」

しばらくそれを前に腕を組むも深く考えることはしないらしい。
溜息ひとつで気を取り直して埃ひとつ落ちていない物置を這うように探索を再開する。
ごそごそと奥まで一通り見ると、体を起こし、屈んでいたため痛む腰を軽くひねった。
ふう。疲れを誤魔化すように軽く一息。
顔を上げた女性は壁の一点を見て目を見開いた。

「あ、あったぁ!」

山のように詰まれた美術品。
それらには目もくれず、彼女は一枚の古びたお皿を手に取る。
見つけてみれば目的の物は物置の一番目立つ場所に置かれていた。にも拘らず見つけられなかったのは恥ずかしくもあったが、どうせ今は誰もいない。
目標は無事達成できたのだからと大きなお皿をいそいそと持ってきた風呂敷で包む。
割れないように丁重に。
思わずふふっと笑みが彼女のピンク色の唇からこぼれた。

目的を終えて見回してみれば彼女が来る前と来た後では漁った後が丸分かりだ。

「散らかしてごめんなさい。」

ぺこりと頭を下げて帰るための支度を始める。
その時だった。

「本当にな。」彼女の背後から不機嫌に潜められた声が聞こえて、彼女は飛び上がらんばかりに肩を跳ねさせた。

「派手にやりやがって…。」

誰もいないはずだったのに、住民がいたらしい。
こわごわと振り向いた彼女の目に綺麗な顔をした男が腕を組んで立っているのが写った。

「あ、あの!」
「いいからきちんと片付けろ。」

よほど見逃しがたかったのか、そう言いながら近づいてきた男は彼女の背後にあるがたついた絵画をまっすぐに整えた。
ぼーっとその光景を眺めているとぎんっと強く睨まれる。

「ほら、早くしろよ!」
「は、はい!」

強い口調に思わず背筋を伸ばして返事をすると、彼女はしきりに首を傾げながら怒られないように片づけを始めた。
時折、彼女が片付けたところに男の注意が飛ぶ。
いつの間にか明るかった日差しがかげる頃、彼女はようやく全てを片付け終え、男からも許しを貰った。
だるくなってしまった腕を揉みながら頭を下げると呼び止められないようにそそくさときびすを返す。
入ってきたときと同様に、二階から出ようと階段に足をかけると、男がすっと長い指で玄関を指差した。

「そこから出ろ。」
「ど、どうも。」

指示通り頭を下げて玄関の扉を開く。
出て行く彼女は足音ひとつ立てることはなかった。
物置は男の記憶どおり綺麗に整理され、誰かがいた形跡はない。

一人になった物置で、男―直樹は風呂敷に包まれた大皿を取り出すと、曇りひとつないのを確かめて元の位置へと戻した。
忘れられた風呂敷をジーンズのポケットにねじ込む。
その口元には楽しげな笑みさえ浮かんでいた。




二つ以上の連載は抱えない、と思っておりましたが、違うのものの方が進んでしまいました。
混同しないようにこっちを先に終わらせてしまおうかと思っております。
原作を完全無視なので、軽い気持ちで読んで頂けるとありがたいです。
…パスはいらないと思いますが、そのうち限定になっていたらすみません。
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プロフィール

pukka

Author:pukka
先輩の影響で華流・韓流にはまり、そこから二次小説にたどり着き、拙いながら自分で書くにいたりました。

仕事以外はほぼ家にいます。
人見知りが酷いのでなかなか自分からはお声がかけられません。
計画的にはまず行動できません。
睡眠大好き、お菓子大好き。
Ki/n/Ki Ki/ds、特に光一君が大好き。
ファン歴16年と言う結構な古参ファンです。

追っかけのため生まれも育ちも関西なのに、山手線にやたらと乗りなれています。

こんな私ですが、よろしくお願いします。

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